Introduction of report "Nara's literary world in 1920's" witten by Mataichi Matsumura

publisher奈良二〇〇〇年（平成一二年）七月に北村信昭氏の遺品をご遺族のご好意によって、奈良大学図書館に受け入れた。以来図書の整理と配架は終え、遺品中の奈良にかかわる近代文学資料の整理と報告を進めている。すでに「奈良大学図書館「北村信昭文庫」北園克衛初期詩篇及び初期未発表詩稿等」（『奈良大学紀要』三四号二〇〇六年三月）、「奈良大学図書館「北村信昭文庫」Ⅱ 北園克衛初期詩篇補遺ならびに北 村宛諸氏書簡」（『奈良大学総合研究所所報』一五号二〇〇七年三月）、 ならびに『訪書月刊』（二〇〇二年一一月）に簡単ながら報告の機会を得（「北園克衛と『大和日報』」）、北村信昭氏ならびに「北村文庫」についての概略は紹介したので、ここでは割愛する。なお本報告掲載の『奈良大学紀要』三六号と同時期に発行される予定の『奈良大学総合研究所所報』一六号に「奈良大学図書館「北村信昭文庫」Ⅳ 「新しい村」奈良県支部関連資料」を掲載しているので、そちらも併せ見ていただければと思う。 本報告では、北村氏所蔵のスクラップ帖に貼付された『大和日報』文芸欄掲載の「大和文壇今昔(一)～(七)」の全文を紹介する。「北村信昭文庫」についての報告としては以上のⅠ〜Ⅳでおおむね内容を報告できたと思うが、以前にも記したように沢山の写真があり、また氏があちこちに書かれた奈良の文学や文化にかかわる紹介・回 想・随想も奈良の文化史資料としての価値があり、その報告のまとめ方について苦慮している。さらに『大和日報』の消息欄・コラム「卓 上噴水」等に記載されている文学関係記事なども奈良の文学情報として貴重であり、本稿の当初予定ではそれらの要点を摘記するつもりではあったが整理する時間がなく、ここでは割愛せざるを得なかった